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役不足という言葉の意味を
「力不足」だと思っていた時期が長かった。
どこかのタイミングで
「力量に比べて、与えられた役目や仕事が軽い」
という全く逆の意味だと知って、
誤解をさせそうな言葉だなと思いつつ、
本来の意味で使ってみたいなとずっと思っていた。

この間、友達とご飯を食べている時に、
「あの人って凄い人だと知らずに、
軽い仕事のお願いしちゃってたんだよね。」
という会話になったので、
これはチャンスだと思って
「それは役不足だったねー。」
と言ってみたところ、
「そんなことないですよぉ。」
と返ってきた。

「そんなことない」が
どこにかかっているか分からず、
友達が理解した「役不足」が
本来の意味か誤認の方かどうか悩んでいるうちに
その話しが終わってしまったのだった。

使い慣れてもいない言葉を使ったばかりに、
そっちに気が行ってしまい、
会話が弾まなかったことに反省。
　
役不足という言葉を使うには、
まだ僕は力不足でした。

水野学さんの
『センスは知識からはじまる』という本を
昔、読んで「センスは知識あってのもの」と
いういうことに、本当にそうだなと思った。

でも同時に、どんなに知識があっても
表現がいまいちだとセンスがよくならいので、
知識がないと始まらないけど、
やっぱり重要なのって
アウトプットの仕方なんだろうなと
思ったりもした。

知識は重要、それをどう使うかでセンスが決まる。
みたいなことなのかなぁ。

料理で一番センスがとわれると思うのが、盛り付け。
食材、調理方法、食器、盛り付け方、
献立、テーブルコーディネートくらいが
キーワードになるのかな。
全部をひっくるめて、センスのある料理を出すには、
たしかに知識がないと始まらない気がする。

でも仮に世界のすべての料理の知識、
すべてのお皿が目の前にあったとして、
僕は超素敵な料理を出せるのかと言われたら、
なんか無理そうな気がする。

料理の知識というよりは
「素敵な料理を出す知識」が必要なのだろうなと。
で、「素敵な料理を出す知識」を学ぶためには、
なにが素敵かを学ぶために知識が必要ってことか。

うーん。道が長い。
センスを自分に簡単に
インストールできたらいいのになー。
　
　

スーパーで買い物をしていて、
当然ながら安くていいものを選びたいので
考えながら買ってはいるのだけれども、
記憶力があんまりなもので
実際に安いかどうかの見極めがいまいち。

明らかに安いものは分かるけれども、
ちょっとの変動は覚えられないし、
特に肉は、グラムいくらが安い、とか、
部位によっても違うな、とか、
「安い」と確信できることは少ない。

そんななか、安いかどうか
自信を持って言える食材がある。
それは、スパム。
スパムだけはいつも値段をちゃんと覚えている。

いつも買っているわけでもない、
というより滅多に買わないのだけれども
スーパーに行くとスパムの価格を確認するし、
新しいお店に行ってスパムが安いと、
その店はお買い得のお店だと思ったりしている。

ちょっと前に円安のせいか
スパムの値段が倍近くになった時に、
もうスパムは二度と買えないと
悲しみに暮れたりもしたのだけれども、
今はだいぶ値段も落ち着いてきた。

値段が落ち着いても結局買わないのだけれど、
スーパーに行ったら
いつも値段をチェックしているスパム。
「スパム指数」を使っているの多分、
日本で僕だけだと思う！
　

鍋料理、小さい頃はあんまり好きじゃなかった。
いや、全然好きじゃなかった。

何を食べてもポン酢の味になるし、
白飯と一緒に食べられるものが見つけられず、
湯豆腐にいたっては、
豆腐と葉っぱしか入っていなかったことに
途方に暮れていた。

時が経ち、今となっては鍋は、いいですねー。
冬の到来を感じるし、体は温まるし、さっぱり食べられる。
作るが楽なのもまたいい。
出汁の味も効かせて、
ちょっと柚子胡椒を入れちゃったら香りも素敵。
〆はうどんにしようか雑炊にしようか悩みつつ、
今日は、卵も入れて卵雑炊にしちゃいましょう。

どこで好みが変わったんだろうか。
自分で作るようになってからかなぁ。

子供の方が酸味や苦味を強く感じるとは
言われているけれども、
お鍋には酸味も苦味も不在だし、
なんで好きになるのかはわからないけれども
お鍋、サイコー。

　　

僕が中学生の時の話し。
バーベキュー場に行って、
各班に分かれて好きな料理を作る、
という課外授業があった。

各班ごとに作る料理は事前に決められていて、
それが紙になって全員に配られていた。
ひととおり目を通していたとき、
友達の班の料理の中に
「サンドイッチ」「パンの耳を揚げたやつ」
が入っていたのを目にした。

それを見た瞬間に僕はすぐに気づいた。
「あ、このあいだうちで食べたやつだ。」

たしかに友達はその時
美味しい美味しいと言っていた気がしたし、
お母さん同士の話し合いで、
「このサンドイッチってどうやってつくるの？」
「この粉をかけるだけよー。」
という話しをしていた。

サンドイッチと、余ったパンの耳を油で揚げて
砂糖をまぶしたおやつ的な料理。
我が家ではよく出てくる料理で
美味しくで好きだったのだけれども、
友達が本当に気に入ってくれたことを、
課外授業で知ることになって
とても嬉しかったのを覚えている。

そして、サンドイッチにかける「まほうのこな」は、
後に「クレイジーソルト」というスーパーに売っている
普通の調味料だと知ることになるのだけれども、
僕は今でもこれをかければ料理はなんとかなる
まほうのこなだと信じていたりする。

友達にとっても今でも、
まほうのこなだったらいいな。
　
　

撮影している時の料理は緊張する。
正確にいうと、緊張していた。

当たり前だけれども、
撮影している時は撮影担当コネギと
カメラに見られているので恥ずかしいし、
緊張するし、意識をする。

そもそも自分が料理をしている時に
誰かに見られているなんてこと自体経験がなかったので、
料理中に指摘を受けたり相談したりすることに
新鮮さと戸惑いがしばらくあった気がする。

YouTubeを始めて一年が経ち、
さすがに撮影中に緊張するというのは、
ほとんどなくなった。

見られていることを意識しながら料理をして、
できあがった動画を見ては反省してを繰り返し、
この一年でだいぶ料理上手になったのかなと思う。

特にまっすぐ切る、等間隔に切る、盛り付ける、
みたいに見た目に現れるものについては、
かなり上達したんじゃないだろうか。

やっぱり見られる、意識するというのは
上達への近道だなとあらためて感じた。

もっと上手になりたい！