little notes from jiro of kikkake

essay

20年ぶりの再会

ふと時間が空いた時に、
目の前にマッサージチェアがあったので、
試してみたら、最高だった。

文章にすると変だけれども、
あったことを書いたらこうなってしまった。

マッサージチェアを最後に試したのは、
何年前だろうか。
友達の家にあったものを使った記憶か、
どこかの宿泊先で使った記憶か、
全く覚えていないけれども、20年くらい前だと思う。

ローラーっぽいものが背中で動き出して、
ゴロゴロして、なんか痛い。
そんな記憶が最後。
それ以降、マッサージチェアに
思いを馳せたことは一度もなく、無縁の生活を送ってきた。

再会は突然だった。

買い物をしている時に、
ちょっとした待ち時間ができて、
どうしようかなと思っていたら、
目の前にお試し用のマッサージチェアがあった。

立て看板には、
「無重量マッサージ」という謳い文句。

いつもだったら気にも留めないのに、
体が疲れていたからか、
吸い込まれるように試してみたところ、
気持ちよくてびっくり。

頭、体、足、足裏。
全部を一気に揉んでくれて、全部気持ちいい。

僕がぼーっと生きていた20年の間に、
マッサージチェアのメーカーは
ずっと努力してくれていたのかと、
謎の感動を覚えるくらい気持ちよかった。

20年の間に、
マッサージチェアはずいぶん進化していた。
僕の体の方は、ずいぶん凝るようになった。
 
 
20年ぶりの再会

音楽

映画を見ていて、ふと思った。
音楽って大事だなー。

音楽と言ったけれども、
実際には「音」が大事なんだろうな。
映像って、目から入ってくる情報が
大部分を占めているように思うけれども、
音から入ってくる情報もとても重要。

kikkakeのyoutube動画も
音楽が入っていない状態で見たら、
普段から見てくださっている方には、
何か物足りなく感じられると思う。

料理をする音や、その後ろで流れている音楽。
いろんな要素が重なって、
ひとつの動画ができているわけで、
その全部が合わさって、
クオリティになるんだなと思う。大変だぁ。

撮影担当コネギと、kikkakeの動画で流す音楽は
どんなものがいいのか、
いろんな音楽を聴きながら話していた。

「ちょっと朝っぽすぎるかな。」
「少し霧がかっているんだよね。」
「夕食っぽいな。もう少し昼食寄りっていうか。」
「なんかサムライみたいな感じだな。もう少し洋風で。」

音楽に詳しくない二人で、
音楽について語ると、こんな抽象的な会話になる。
でも、不思議なことに、
お互い言っていることは意外とわかるのが面白い。
 
 
音楽

選択

ふと入ったイタリアンが激うまだった。
サラダ、カルパッチョ、蟹のトマトパスタ。
出てくるもの、出てくるものが美味しくて、
感動しながらペロリと全部食べてしまった。

普段デザートを頼むことはないんだけれども、
このお店だったらデザートも美味しいのではないかと思い、
ジェラートの味を聞いてみたところ、
「チョコレートとバニラと、あと小松菜です。」
と言われた。

こ、こまつな!?

びっくりして、一瞬悩んだ末に、
「小松菜!? じゃ、じゃあ小松菜でお願いします。」
と、小松菜のジェラートを頼むことにした。

小松菜のジェラートなんて美味しいはずがない。だから選んでみた。
この選び方、前職の社長から学んだことだったりする。

サラリーマン時代、とあるプロジェクトの最終段階で、
色をどれにするか、社長に判断してもらうことになった。

三色のパターンを作って持っていったところ、
社長は一瞬だけ悩んだあとで、
僕が一番ないなと思っていた色を選んだ。

びっくりして、なんでこの色を選んだんですかと聞いたら、
「一番ないなと思ったから。」
と、普通に言ったのだ。
そんな選び方があるのか。

衝撃を受けたことを、今でも覚えている。
振り返って考えてみると、
いいと思うものばかりを選んでいると、
どうしても同じような結果になりがちなので、
たまには意識的に、違う結果になる方を選んでみる。

そういうことだったのかなと思う。
本当のところ、
何を考えてそう仰ったのかはわからないけれども。

いずれにせよ、その考え方は僕の心にずっと残っていて、
悩んだ時に、一番ないなと思ったものをあえて選ぶ、
ということをたまにやっている。

そんな昔のことを考えている間に、
運ばれてきた小松菜のジェラートは、
びっくりするほど美味しかった。
選択

続ける

kikkakeウェブサイトのリニューアルを進めている。

サイトの立ち上げからは一年半。
プロジェクトを始めてからは、
だいたい二年くらい経ったかな。

構想したものを実際に動く形にしてくれる
フロントエンドエンジニアの方を招いて、

まずは仕事の相談をして、
そのあと僕が食事を作って、みんなでワイワイする。
いつの間にか、それが恒例になっている。

二年前と比べて思うこと。
料理を作るの、上手くなったもんだなー。

以前だったら、お客さんが来るとなれば、
何を作ろうとウンウン考えて、当日も気合いたっぷり。
話もそぞろに、料理に集中していた気がする。

今は冷蔵庫に残っている食材でパッと作っても、
それなりな感じになるようになってきた。

kikkakeを始めてから味はもちろん、
見た目にも美味しい料理って
なんだろうと考えながら、作り続けてきて二年。

自分比でいったら、

前年比1000%増
※当社比

くらいの感じになっている。

何かが上手くなるためには、
「続けることが大事」とよく聞く。
ほんと、これしかないんだろうなと思う。
でも、続けるためには楽しくないと難しい。

続けることと、楽しむこと。
この二つは、きっとセットなんだろうな。

二年前はウンウン考えていた料理を、
今は楽しみながらパッと作っている。
続けていると、ちゃんと変わるものだ。

サイト作りも同じように、
いいものになるよう、
楽しみながら続けています。
 
 
続ける

秋

金木犀の香りがしたら、
秋到来だなと思ってきた。

どこに植わっているのかわからないのに、
どこからか香ってくる金木犀の香り。
小さい頃からずっと秋の入口にいて、
この香りがしたら、
「はい、ここから秋ですよー。」
と言われている感じがして、楽しい。

夏から秋への変化は、
いろんなところですでに感じている。

灼熱だった昼間の暑さが少しずつ和らいできたり、
真っ暗になるのが思っていたより早いなと感じたり、
スーパーに栗が並び始めたり、
湯船から出るのがちょっと億劫になったり。

そんなふうに、
秋の訪れはすでに感じ取っていたのだけれど、
僕にとっての本当の秋の入口は、
やっぱり金木犀の香り。

そして数日前、
今年初めての金木犀の香りがした。

「はい、ここから秋ですよー。」

ようやく僕の中でも、
秋になりました。
 
 
秋

競争

最近、ミネラルウォーターの
Volvicを飲んでないなと、ふと思った。

ロゴがかっこよかったのと、
海外の水なんだろうなというだけで、
コンビニで水を買う時には、
Volvicかクリスタルガイザーを選んでいた。
あ、エビアンもあったなー。

Volvicはどうなったんだろうと調べてみたところ、
2020年末で、日本国内での出荷を終了していた。

普通に飲んでいたものが、いつの間にか棚から消えて、
それに気がつかないまま、
日本での販売まで終わっていたなんて。

あらためて考えてみると、
コンビニで水を買う時って、
意識せずに、取りやすい場所にあって、
安いものを選んでいることに気がつく。

ブランドをまったく意識していないわけじゃないけれど、
ぱっと手に取りやすいデザインと、大きさと、値段。
そのくらいのことで、
無意識に選んでいるんだろうな。

あんなによく飲んでいたVolvicも、
いつの間にか自分が選ばなくなっていて、
そして、選ばなくなったことに気がつくこともなく、
気がついたら、日本からいなくなっていた。

市場の競争って、大変なんだなー。
と、通販で買った、ラベルの貼っていない水を飲みながら
この文章を書いています。

 
競争